これまで私たちのエクステリア・ガーデン業界は、ハウスメーカーや工務店が受注した新築住宅工事の一部として庭・外溝の施工を請け負うことが多かったんですね。言わば下請的なポジションでした。それですと、私たちがエンドユーザー(施主様)にお会いしてヒアリングし、直にご提案することができません。はたしてそれでエンドユーザーが満足できるものを提供できるのだろうか?そんな想いから、当社は従来のビジネス構造から脱却。“小売”の窓口として店舗展開しているのです。「念願の家を建てるのだから、外の空間にもこだわりたい」-そんなお客様と向き合い、エクステリア・ガーデンのプロとしての腕前を発揮できるこの仕事。それによってもたらすことができる“お客様の笑顔”をデザインすることが僕らの仕事だと思っています。
僕は大学一年生の時に学生結婚。二年生になると同時に子供が誕生。もともと学費・生活費は奨学金と自分で働いたお金で賄うことを約束して進学した勤労学生だったのですが、それに加えて家族を養うために二つのアルバイトを掛け持ち、猛烈に働きました。大学にはほとんど行かず成績もご想像どおり。この会社の筆記試験も散々だったはず。でも、面接で「家族がいます。なんとか働かせてください!」と社長(前会長)に懇願。内定をもらった時には感謝でいっぱいで、社長とこの会社に恩返しをすることを心に誓いました。今、誓ったことに恥じないだけの仕事はしているつもりです。店長になる→店舗売上3年連続No.1達成→エリアマネージャーになって店舗・人の育成をする→20年後には日本一の企業へ。チェルシーフラワーショーにも出る!それが目標です。
お客様が生家を建て替えられるという案件。4社競合でした。古い家が壊された後、庭で使われていた大きな石がごろんと転がっていました。その石を、施主様は幼少の頃からご覧になっていたはず。家は取り壊されたけど、石は生かそう。そう考えた僕は、「この石を使って“湧水のある里山”を表現したい」と伝えました。それを具体的にイメージして頂くためにラフ画や図面も用意するとお伝えすると、「図面がなくてもあなたの想いは言葉で伝わった。秋山さんに任せるよ」とおっしゃってくださったのです。この時は、本当に嬉しかったですね。900万円もの大仕事となる案件を、僕の熱い想いだけで決めてくださったのですから。
本気だったら、その熱意を伝えるべきだと思います。僕は、面接で真剣な想いをなりふり構わず訴えました。恰好つけないで、自分の想いを自分の言葉で伝えることは、社会人になって仕事をする上でも必要なこと。そして最も大切なことは、言っただけのことが実行できるかどうかです。